すっくんです。
雨が降り注いでおります。
梅雨ですね~、そんな梅雨生まれの暇すぎ店長です。
今月晴れて31歳になりました、梅雨なのに晴れてとかややこしいか。
何か30歳の時には20代からサヨナラするというのに、たいして実感もなかったのですが、31歳になったときは30で1年過ごしたのか~と思うと一気に老け込んだ気になってしまいました(笑)
このままいくと40歳もあっという間なのだろうと思います。
恐らく50、60歳も...人生はあっという間だなぁ。
そんなあっという間な人生において「読書」とは非常に有意義なツールだと思うのです。たとえ作り話でも、自分が体験することのできないはずだったことを、想像という力で補いながら体験できるのだから。ノンフィクションであればあるほど良いですよね、ただ生きているだけでは出会えない体験なわけですから。
梅雨を好む人の方が少ない分、梅雨生まれでうらやましがられたことはあまりないのですが、「読書」というものにはまって以来、私は梅雨というものが好きになっております。外に出る口実がつぶされた分、今の私は未だ体験できていない経験を読書で得られる!その時間を梅雨は沢山つくれる!
というわけで、本日は自宅で没入できるとっておきの小説をご紹介させて頂きます。今まで読んだミステリの中で1,2を争うくらい大好きな小説です。
それが【夜の床屋】です。
あらすじ
慣れない山道に迷い無人駅での一泊を余儀なくされた大学生の佐倉と高瀬。だが深夜、高瀬は一軒の理髪店に明かりがともっていることに気がつく。好奇心に駆られた高瀬が、佐倉の制止も聞かず店の扉を開けると……。第4回ミステリーズ!新人賞受賞作「夜の床屋」をはじめ、子供たちを引率して廃工場を探索する佐倉が巻き込まれる、ある夏の日の陰謀劇「ドッペルゲンガーを捜しにいこう」など全7編。奇妙な事件に予想外の結末が待ち受ける、新鋭による不可思議でチャーミングな連作ミステリ。
引用:Google Books
著者は沢村浩輔さん。語り部は佐倉で全ての短編に登場し、彼が主にミステリにおける“探偵”役です。佐倉の友人の高瀬も7編中半分くらいは登場するのですが、基本的には登場人物もシチュエーションもバラバラな一話完結です。
読んでみて
あらすじにもあるとおり“チャーミング”という評価がとてもしっくりくる印象でした。私の中の短編集というと、同じ著者が書いた作品であってもそれぞれに違った個性があり、悪く言うと1話1話に好き嫌いがはっきりと表れてしまう感じ、、「夜の床屋」も最初に読んでいるうちそんな感じです。「夜の床屋」はどれも面白くハズレは無いのですが!私は特に「葡萄荘のミラージュ」が大好きです。お金持ちの友人が所有する館に眠る財宝を探し出す話なのですが、派手なアクションが無い分、よりリアルに感じられ、ワンステップずつ館の謎を解いていくのがワクワクさせられます。
しかし!「夜の床屋」の真骨頂は“読んだ後”!なのです!
それまでは「佐倉」という語り部だけがそれぞれの話の共通点だったのですが、ラスト数ページで1編目の「夜の床屋」から2編目、3編目...とそれぞれをつなぎ、リアル:ファンタジーが50:50の壮大な長編小説へと変貌するのです。
あとは皆さん是非読んでみて下さい。
私は「夜の床屋」読み返しました。数年ぶりくらいに読んだのですが、やっぱり面白かったです。本好きな方のなかには共感してくれるひとも多いと思うのですが、内容知っていても何回も読み返せる本ってありますよね?